お兄ちゃんの空



ソフトテニス部の部室は、部室棟の一番端にある。


少しテニスコートに遠いけれど、まあ仕方がないと諦めている。



部室は、なかなか広い。

そして、なぜだかわからないが、ソファーがおいてある。



うちの部はたいして強くないのだから、余計に不思議だ。


全国レベルならまだある可能性もないこともないが…。



いろいろ考えていると、いつのまにか部室の近くまで来ていた。



そこで綾音は、部室の明かりがついていることに驚いた。



もう、皆とっくに帰っていると思っていたからだ。


ドアを開けようノブに手をかけると、中から、『綾音ってさあ』と聞こえてきた。



「あたしの…話?」


綾音は、ノブから手を離し、ドアの前で聞き耳をたてた。