そう言ったのは、ムードメーカーの坂平健。「やってね」っていうのは…、うん。女子を退かせってことなんだよね。

遥「学校遅れちゃうから、道を開けてほしいな」

女のあたしがやって、効果あるのが意味わからない。だけど、女子たちがキャーキャーいいながらを道が開けた。そっからダッシュ。学校までダッシュ。

?「遥、遅刻の回数多過ぎ。もう四回目」

あい。すみません。今喋ったのは、平野雅兜。頭がめっちゃいいんだ。テストはいっつも一位。

?「食パン俺に頂戴」

そう言ってきたのは、風岡尚樹。めっちゃ優しい。コイツがモテるのはわかる。去年のバレンタインでは下駄箱とロッカーが悲惨なことになってた。

遥「はい」

食パンを差し出すとありがとうと尚樹が笑った。その笑顔は最高で。女子たちが好きな理由もわかる気がする。

遥「明、一人で行くの禁止」

立花明はスポーツ万能。だから、いっつも一人で先に行こうとしちゃうんだよね…。体力をあたしにわけてほしいくらい。

明「みんな遅い」

雅兜「明が早すぎなんだよ」

ナイスツッコミ。本当にその通りだよ。このやろう。

明「俺、いっちば〜ん!!」

そう言って明が、学校の門をくぐった。あたしたちもそれに続く。ダッシュはかなりきつくて、息が切れる。

遥「ハァ…ハァ…」

凌「息切れてんの?ださっ」

うざっ!!幼なじみだから、あたしが女子って知ってんだろうが!!凌って尚樹とは比べものにならん。凌、めっちゃ意地悪だし。

健「教室行きますか!!」

階段を上って、自分のクラスに入る。いいのか、悪いのかは謎だけど、凌達も同じクラス。