―もう鳴らないよ。ごめんな。最近いつも夜急にドタバタして。彼は苦い笑顔で申し訳なさそうに言う。

そのまま私は勢いに任せて言う。
「あのね。言いたい事があるんだけど。」

―うん?なに?
そう思って彼はニヤニヤ聞いてくる。

はぁ???何でニヤついてんの???
腹が立ってきた。

―実はオレもある。
急にドギマギした面持ちで彼は言ってきた。

「え。何?」
急に不安になってきた。涙が出そう。怖い。

「さ、さきに言ってよ」
少し声が震えちゃってるかな。強い口調になる。

―な、何だよ!?何か怖いよ。今日のオマエ。どうしたんだよ?

―じゃ、じゃぁ先に言うよ。言いにくいなぁ…

彼はさっきの余裕いっぱいの笑みからは想像出来ない程、
怯えた表情でボソボソ話出した。





―あ、あのさ。
そういってポケットに手を入れている。






―ぺ、ペアリングなんだけど…い・1年間ありがとう。
―こ、これからも…

―あぁ!!ダメダメ!!恥ずかしいわ!無理!こういうのやっ
ぱ苦手。
そう言って笑う笑顔は私の見た今までで一番のかわいい笑顔だった。






涙が出た。


あふれ出て来た。