「栖、早く支度しなさい。柊ちゃんが来
 ちゃうわよ?」


 「わ、わかってるよ」



あれから10年後、私、矢來栖(やらいすみか)は高校生になった。


私は見た目も趣味も高校生並みになった。


だけど、あの人を思う気持ちは変わっていない。



 「すーみか」


 「あっ、しゅ、柊ちゃんっ!?」



私の部屋に勝手に入ってきたのは加賀見柊弥(かがみしゅうや)、私の片想いの相手。


毎朝迎えに来てくれて、一緒に学校に登校する。