「さて、そろそろ帰りますか。って楓ちゃーん??」





「え、あ、なに??」




「なにってなー......もう下校時刻過ぎてますけど。」


へー過ぎてるんだ.....。


え、過ぎてんの??



「やばい!!帰らないと!!」



ベンがお腹すかせてる。



「百面相してんなよ。」


そう言って紘海は笑った。



「じゃぁな。」


紘海は手を振って図書室を後にした。







「.......本物。」


今のは本物の.........笑顔。



あたしはきっと紘海には勝てないんだろう。


紘海といると自分が自分じゃなくなるみたいで......。





1人図書室のソファーでそんなことを考えていた。





□■紅葉色Ⅰ END■□