「仕方ないよ。悲しかったに決まってる…よ」


ふと見た実夏も、少しだけ、悲しそうな表情だった。


「ウチのには、”勿忘草”と”アマリリス”と”エーデルワイス”」


「…エーデルワイスって聞いたことあるな」


「『忍耐』『勇気』…『尊い思い出』『大切な思い出』」


「考えてありすぎ」


確かに愛生と実夏はかなり仲が良かった。


俺が笑うと、実夏も笑って、


「そ!アマリリスは『誇り』とか『すばららしく美しい』とかあるのに、


『おしゃべり』ってもあるの!!!」


爆笑。それ以外何でもない。


このあと2分くらい、ひーひー笑ってた。



「…それで?歌奈のは?」


「”勿忘草”と、”イヌサフラン”と”オリーブ”」


「オリーブって、油?」


バコッ


「いでっ!!!~~~」


今、頭ぶん殴られた……


もちろん、目の前にいる実夏に。


「油とか言うな。オマエの引きちぎるぞ」


こえーーーーー。ってことで、


「すんません」


なんか謝ってばっかだな。