「オイ、歌奈?俺」
「…あたし、オレオレ詐欺には付き合えません」
「ちげーよ、俺。成留」
「知ってる」
「行くぞ」
「ハイハイわーったよっ」
歌奈は、高校行って、案の定、少し荒れた。
基本、あんまりよくない私立高は荒れてるのにさ。
そして、俺たちは同じ場所へと向かう。
決して同じではないけど、お揃いの手作りのお守りを下げたスクールバッグを持って。
「あんたさ、」
「なに?」
実夏はバッグについたお守りを引っ張った。
「オイ、ちゃんと作られてるけど、手作りなんだから壊れるぞ!?」
「壊すかよバーカ。
それよりもココに花、わかる??」
確かに引っ張られたお守りには、綺麗な刺繍で、花が描かれている。
白くて小さい、筒状の花が4,5つ、下を向いている花。
薄紫の花が、右と左に、そっぽを向いている花。
そしてもう一つは、見覚えのある青っぽい、5つの花びらをした花。
…それがどうしたって言うんだコイツ?


