キーンコーンカーンコーン……
昼休み終了5分前を告げるチャイム。
1日の中で唯一むなしげに響くチャイム。
「予鈴だぁ。教室いこー」
そうやって、移動中でも会話を惜しまない。
「D組次何?」
「数学」
「眠!!」
「ソレ歌奈ちゃんだけ」
そんな会話を、後ろからぼんやり見ていた。
”私がいなくなったら…どうする?”
なんだよそれは。
別にいなくなる前に、高校離れるんじゃね?
……そうだよ。そーだよ絶対。
どうせ俺はお前の頭に、所詮勝てるわけがない。
目指す高校も、全く違う。
愛生は県で4番目に賢い公立高校の普通科。もちろん進学校。
確か、実夏も同じ。
歌奈は私立だっけ。そこまで頭はよくないとこ。
俺は、県で真中から少し下の高校の工業科。
別に興味なんて無いけど。
大学進学者数は0に近いのも当然知っている。
な?これだから、アイツと俺、頭が違う。