「ナオ……」
オレはかすれた声で、ナオに呼びかける。初めて会ったときと同じように反応はない。
オレは人ごみを掻き分けながらナオに駆け寄った。手にはナオの好物のプリンを握り締めて。
「ナオ、いつものプリンだ」
俺はそう言って、ナオの顔にプリンをそっと近づけた。
「ぷりん?」
微かにナオが顔を上げた。
「そうだ、プリンだ」
「ワタル?」
ナオはオレを見上げてそう言った。
黒い髪は相変わらず肩の長さで揃っているけど、目の色が茶色くなっていた。耳もとがってはいない。それに、随分背が伸びたようだった。
きっと、人間に近づいている証拠だ。
「迎えに来たよ」
オレは、ちゃんと笑ってそう言いたかったのに、気付けば泣いていた。
オレはかすれた声で、ナオに呼びかける。初めて会ったときと同じように反応はない。
オレは人ごみを掻き分けながらナオに駆け寄った。手にはナオの好物のプリンを握り締めて。
「ナオ、いつものプリンだ」
俺はそう言って、ナオの顔にプリンをそっと近づけた。
「ぷりん?」
微かにナオが顔を上げた。
「そうだ、プリンだ」
「ワタル?」
ナオはオレを見上げてそう言った。
黒い髪は相変わらず肩の長さで揃っているけど、目の色が茶色くなっていた。耳もとがってはいない。それに、随分背が伸びたようだった。
きっと、人間に近づいている証拠だ。
「迎えに来たよ」
オレは、ちゃんと笑ってそう言いたかったのに、気付けば泣いていた。