どこにいるんだ……
 ふと、オレの視界に明るい光が飛び込んできた。二十四時間営業をしているコンビニだった。
 そうだ、プリンを買ってやろう。
 オレはコンビニでナオが一番初めに食べたプリンを買った。
 コンビニを出ると朝日が目に入ってきた。気付けばもう朝だった。
 土曜日の朝だというのにだんだん人が増えてきた。休日出勤のサラリーマンや、運動部の練習があるような学生、遊びに行くのかお洒落をした若い女の子たち。
 すれ違う人の顔を見逃さないようにしながら歩いた。
(ワタル)
 ナオの声が蘇る。絶対見つけるからな、ナオ。
 寝ずに走り回ったせいか、すれ違う女の子がみんなナオに見えてしまう。
 違う。ナオじゃない。
 このままではナオの幻でも見てしまいそうだ。