出かけるといっても、どこに行くのだろう。それに、ペットがいるなんて知らなかった。そういえば、ナオには友達がいるのだろうか。
 よく考えてみれば、オレはナオについてほとんど何も知らない。
 知る必要がないと思っていた。
 多分、普通の人間ではないナオ。無意識のうちに俺はナオと深く関わらないようにしてきた。
 一緒に住んでいる時点でもう深く関わっているのかもしれないが、ナオと、ナオやオレについて話し合ったことはない。テレビの話だとか、今日のご飯のおかずの話だとか、どうでもいいことしか話してこなかった。
 本音を言えば、知るのが怖かった。けど、気になって、ほっとくことは出来なかった。
 ナオの年すら知らないが、十歳未満であろう子供をほっとくことは出来ない。別にオレがロリコンで、小さな女の子が好きだというわけじゃなく、世間一般的に見てほっとくことは出来ないだろう。
 人間ではないナオを放り出して仕返しされるのが怖かったし、変なことに巻き込まれそうで怖かった。
 けど、それ以上に気になった。
 怖くて何も聞けないくせに、ナオが何者なのかが気になって仕方なかった。
 ナオ本人に聞いても正確な答えが得られない。