背筋が凍りついて、ブルッと身体が震えた。 怖い。 だけども赤根くんは、もう十分近くに居るのに、一歩前進して更に距離を詰める。 「レッスンなんかしたくない」 まるで誘うように、甘く掠れた声で赤根くんは言う。 伏し目がちに、艶やかに私を見下ろすその表情は、高校生だとはとても信じられないほど魅惑的で。 頭の中も視界もぼんやりして、もうどうしたらいいかわからない。 「どう……して?」 やっと思いで口から出せたのは、そんな短い言葉。