「うん」
「冗談っ!
キノコ生えるぞ、キノコ」
言われて、思わず私の視線が下へと落ちる。
ようやくりっくんは、ずっと野放しにされていた股間を空いている方の大きな手ですっぽり包み隠し、
「いや、これキノコじゃねぇし。
って……自分で言ってて意味良くわかんねぇけど」
言って、りっくんは困ったような苦笑を浮かべた。
ストーカー(ではないかもしれないけど)撃退大作戦が、こんなにもりっくんに迷惑をかけてしまうなんて。
『パンツの一枚や二枚いいじゃない、原始人より原始的なんだから』
という不満は抱いてはいけない、と自分自身に言い聞かせた。



