キッチンで朝食を作り始めた6時頃、
「多恵、俺のパンツ知らね?」
と、スッポンポンのりっくんが姿を現した。
りっくんに、羞恥心というものは無いのだろうか。
大事な所を隠す素振りは微塵もない。
生まれたままの姿で平然とやって来て、レンジ台の横に置いてあるキッチンチェアに我が物顔でドカリと腰掛けた。
原始人より原始的だ。
まだ寝ぼけているのだろうか。
けれど、ちゃっかり手にはタバコとジッポライターを大切そうに握っていて。
一本をくわえると、慣れた手つきで火を点けた。
「ええっと。
ちょっと借りてる」
火にかけたフライパンに卵を割って落としながら答えた。



