しつこくせがんだりはしなかった。
けれど、今日は泊まっていって欲しい、そんな願いをポロリとこぼした私に、りっくんは「わかった」とだけ答え、私の頭の天辺をくしゃりと撫でて笑った。
今朝は私の方が目覚めが早かった。
というか、もの凄く早くに目が覚めてしまった。
まだ午前3時半。
りっくんが隣に居てくれただけで、安心で心地良くて、本当にぐっすり眠ることが出来た。
良質な睡眠をとれたお陰で短時間でも目覚めはスッキリだ。
ベッドからもそもそと抜け出せば、りっくんが薄く目を開け「多恵?」と弱々しく掠れた声を漏らした。
私に倣って身を起こしかけたりっくんの肩を、慌てて掴んでそっと押さえ、ベッドに元通り貼り付けた。



