耐え切れずに走り出せば、追いかけてくる足音は消えた気がした。
無我夢中だったから、本当に消えたかどうかはわからないけど。
でもさすがにこれだけ走れば諦めてくれるよね?
そうじゃないと困る、本当に怖い。
こんな経験初めてだから余計に。
だって私、自慢にもならないけれど、容姿は特に美しくも可愛くもなく極平凡。
異性にしつこく言い寄られたり、付き纏われたりしたことなんて、21年間生きてきて一度もなかった。
断言できる。
きっと私に怨恨を抱いた人の仕業だ、殺される。
まだ死にたくないよ。
助けて……りっくん。



