全部、私からだった。 ~AfterStory~



 私なんかが何を偉そうに言っているんだ、と内心思った。

 けれど、

「はい、やってみます」

 満面の笑みを浮かべ、嬉しそうに声を弾ませて言う赤根くんを見て、ホッと胸を撫で下ろした。



 とにかく疲れる。
 精神的疲労が尋常じゃない。

 早くこの時間が終わって欲しい、けれどそんな風に思う時に限って、時の流れはまるでスロー再生しているかのようにゆっくりなのだ。

 もうこれ、拷問だよ。


 いつか――
 このジットリと汗ばむほどの変な緊張感に、慣れる時が来るのだろうか。

 そんなの想像もつかない。
 全く何も見えて来ない赤根くんとの今後に、不安はどんどん膨らむばかりだった。