鍵屋ごときでさえも私には選ばせてくれない、この過保護っぷりはどうしたものか。
「どこよ? それ。
知らない」
ふて腐れてプイと顔を逸らしてやった。
「知らねぇか、そうだよな。
じゃあ、近いうち俺が連れてくわ。
今んとこ別に、合鍵持ってなくても俺、大して不自由してねぇし」
私の反抗的な態度などなんら気に留めることなく、穏やかに返された。
『俺が連れてくわ』
って。
どこまでも過保護、限界なく過保護。
そして――
不自由しているじゃない。
今さっき、私一人を部屋に残して施錠せずになんか出かけられないって言ったばかりじゃない。
今日、私は居留守を使う気満々だったんだから。
施錠忘れてなければ無駄足になるところだったじゃない。



