全部、私からだった。 ~AfterStory~



「怒んなよ、冗談だって。
 ちゃんとわかってっから。
 先に言っとくけど、風呂なんか後だからな?」


 その言葉に、顔面が一気に熱を持つ。

 りっくんの表現は一々生々しいから嫌だ。
 そして、照れる。


 でも結果的には当ててくれたから、全て良しとする。



「うん、後でいいよ、そんなの」

 私の口が思考を無視して勝手に答えてしまう。

 愛の営みの直前、『ちょっと待って! その前にお風呂!』が口癖の私が。


「へぇー、そんなにー?」

 前を向いたまま、ニヤニヤするりっくん。
 やめて欲しい、余計に恥ずかしくなるから。