チュンチュン、チュンチュン。



 夢の真っ只中にいる私の頭の中に響いたのは、
 小鳥の……さえずり?


「ホー……ホケキョッ」

 いいえ、すこぶる人工的。
 それどころか低くて野太い男の声。

 小鳥のような可愛らしさは微塵もない。


 段々と寝ぼけてぼんやりしていた意識がクリアになるにつれ、その気持ち悪い『男のさえずり』が不快で仕方なくなった。



「コッケコッ……」

「普通に起こしてよっ、もう!」

 ガバリと布団から身を起こせば、目の前に愛しい人。

 ベッドサイドに膝を立て、私の寝顔を覗き込んでいたらしいりっくんは、驚いてビクンと身体を跳ねさせ、半身を限界まで仰け反らせた。