全部、私からだった。 ~AfterStory~



 りっくんはほんの一瞬、私の方をチラリと見て、そして思い出したように言った。

「ああそうだ、多恵以上に俺、多恵のこと愛さねぇとな。
 俺なんかなぁ、この地球上に生きた人間全部の中で、多恵が一番好き、愛してる」

 冗談ぽい口調ではあったけど。


 何だか小学生レベルの対決みたいになっちゃってるけど、大丈夫?

 私たち、バカップルって言われない?



 ――などと思いつつ、

「私なんか、人間だけじゃなく動物も植物もぜーんぶ……」

 言いながら、誰か止めてくれと願う。
 それはもう、切実に。



「多恵」

 りっくんがやけに真面目くさった顔で、私の名を呼んだ。