全部、私からだった。 ~AfterStory~



「最低だろうが、カッコ悪かろうが、そんなもんどうでもいいんだよ。
 俺は全力を尽くした、けど駄目だった、それだけだ。
 結果がどうあれ、俺は出来る限りのことをやった、充分満足だ。
 何か文句あっか?」


 とうとう赤根くんが失笑を漏らす。


「ほんと、あんたって……つまんない男だな。
 先生が惚れ込んでるから、どんな凄いヤツかと思ってたけど、全然大したことないじゃないか。
 刑事ってだけで、ただの普通の人間、凡人――いや、凡人以下かな。
 偉そうなこと散々言っといて、結局口ばっかで、何一つ成し遂げてないんだから」


「いいや、目的は達成した。
 ミッション・コンプリートだ」

 りっくんは不敵に微笑む。


「は? どこが?」

 大袈裟なぐらいおどけた口調で、赤根くんは聞き返した。