りっくんが何を言いたいのか、さっぱりわからない。
一体どこへ向かっているんだろう。
ただ思いついたことを、何でもかんでも口にしているだけじゃないの?
けれど、私は私で、こんな時何を言えばいいのかわからなくて。
だから、黙って見守ることしか出来なかった。
「好きだったさ。
だから巧くなりたくて、毎日毎日練習した。
でも駄目だった。
僕は才能がないんだ。
どんなに努力したって、才能がなけりゃどうしようもない」
「なんでそう思う?
才能がないって誰かに言われたか?」
「それは……」
「中学ん時に出場したコンクールの結果が三位だったからか?」



