全部、私からだった。 ~AfterStory~



「殺るなら、俺だけを殺れ」

 言ってりっくんは、筒先を自分に向けて銃口を握り直す。
 そして赤根くんに向かって差し出した。

「けどなぁ、今のお前じゃ俺の代わりにはなれねぇよ。
 だから、この先もし、俺の代わりが現れたら、そん時は――

 そいつと、正々堂々真っ向から勝負しろ。

 同じ失敗を二度も繰り返すのは利口じゃねぇだろ?」


 りっくんは、正気とは思えない言葉をスルリと口にして、そうして清々しい笑みを見せた。


「何言ってんの?
 やめてよ、そんなの。
 りっくんの代わりなんか、世界中探したってどこにもいないよ。
 りっくんじゃなきゃ駄目だよ、嫌だよ、そんなの!」