全部、私からだった。 ~AfterStory~



 強行手段に出たりっくんに、がっかりした。


 私だけじゃなく、赤根くん親子も守ってくれると思っていたのに。
 りっくんなら、なんとかして説得してくれると思ったのに。

 赤根くんに酷いこと一杯されたけど、憎いけど、嫌いだけど。
 でもそれは、赤根くんだけが悪い訳じゃない。


 赤根くんの将来のことを想うなら、彼が納得できる形で終わらせるべきなんじゃないの?

 私さえ無事ならそれでいい、みたいな。
 そんな自分本位な方法でなんか、助けて欲しくないよ。

 りっくんにだけは……



「勘違いすんなよ。
 撃つ気はねぇ。
 これは保険みたいなもんだ」

 りっくんは赤根くんに向かって言ったけれど、その言葉は私にも向けられているような気がした。