「城光寺ぃー、会いたかったぞー。 今夜は朝まで語り明かそう、な?」 上機嫌で一方的に言い、その若い方の捜査官は城光寺の背中を、バシッと平手で思い切り叩いた。 私とりっくんと、そして赤根くん。 三人が部屋に取り残された。 まだ全てが終わった訳ではない。 赤根くんの中では、きっと何も解決していないだろうし。 「さてと。 こっからは刑事としてじゃなく、一人の男としてお前に頼む。 多恵を返してくれ。 彼女は俺の、この世で最も大切な人だ」