「――という訳なんだけど、ちゃんと聞いてた?」
自分だけさっさと窮屈そうなスーツを着終え、それでも絨毯の上に胡坐をかいてすっかりくつろいで、テレビドラマに視線は釘づけのりっくんに尋ねた。
私は敢えて、ゆったりとした楽ちん部屋着に着替えた。
もう一歩も外へ出たくありません、という無言の抵抗だ。
「ああ、うん。聞いてたって」
りっくんは取り繕うように慌てて返し、困ったような笑みを浮かべた。
きっと私の話のほとんどは、左から右へ通り過ぎて行ってしまっている。
「絶対聞いてなかった」
不満気に咎めれば、
「いや聞いてたって。
てかさ、今の話、どっかに疲れる要素あったか?」
言いながら今度は意地の悪い笑顔を見せる。



