「じゃあ、私の後をつけたのは……」 恐る恐る口を開けば、 「それは奥さんだ。 尾行に気付かれるなんて、そんなヘマするはずないだろ? 仮にも俺はその道のプロだ。 それに、もうそんな頃にはとっくに、あんたの情報なんか全て入手してたさ」 誇らしげに男は答える。 不愉快極まりない顔だ、ブチュッと潰してやりたくなる。 こうなったら、とことん謎を突き止めてやろうと思った。 わからないことだらけで、ずっとモヤモヤした気持ちで過ごしてきた。 せめてスッキリしてから、煮るなり焼かれるなりしたい。