全部、私からだった。 ~AfterStory~



「それは僕が決めることだ。
 僕は先生を愛してる、先生じゃなきゃ駄目なんだ。
 言っただろ? 先生は僕の運命の人だって。
 あの演奏会でピアノを奏でる先生を見た時、僕は――


 生まれて初めて勃起した」



 何ら躊躇うことなく卑猥な言葉を口にする赤根くんに、言い知れない恐怖を覚え、膝がガクガク震えて。
 挙句、立っていることもしんどくなって、その場にヘナヘナと座り込んでしまった。


 ああ……
 何を言っても無駄だ、やっぱり赤根くんの精神は既に壊れているんだ、ボロボロなんだ。

 絶望の淵に突き落とされ、私の中で諦めのような投げ槍な気持ちがグングン大きくなった。