全部、私からだった。 ~AfterStory~



「ああ、いつもの発作だよ。
 そんなやつ、ほっとけばいい」

 何でもないことのように涼しげに言い、赤根くんは作り物のような笑顔を見せる。

 曖昧な言葉と不自然な笑顔は、私を益々混乱させる。

「このままで平気?
 その発作って、放っておけば自然に治まるの?」

 思わず聞き返した。


「薬飲んだら治まるけどね。
 その薬を僕が奪ってやった。
 もうすぐ死ぬだろうね」

 言って、赤根くんは満足そうに目を細めた。


「どうしてそんなこと……
 駄目だよ、赤根くん、そんなの人殺しと一緒だよ?
 それに、ハインリーケさんはお母さんでしょ?
 赤根くんの大切な家族でしょ?」