うつ伏せの状態で倒れている銀髪の女性。
ハインリーケさん?
私をこんな所まで連れて来て、監禁しようとした張本人だけれど、このまま放っておいて大丈夫かな。
もし死んでしまったりしたら、きっと罪悪感が残るだろう。
もちろん、私が無事だったらの話だけど。
そうだよ、罪悪感なんか糞くらえだ、とにかく今は逃げないと……
ここで終わってしまったら、それこそ罪悪感を感じることすら出来なくなってしまうんだから。
私を監禁した、言わば『敵』のハインリーケさんより、自分の身の安全の方を優先したってきっとバチは当たらない。
腕を目一杯伸ばしてソファーの上の鞄を掴み、同時に立ち上がった。



