「じゃぁ、あそこに私を閉じ込めたのは……赤根くん?」
「先生、何言ってんの?
僕は助けに来たんだよ?
現にあそこから出してあげたじゃない、もう忘れちゃった?
ただ僕が言いたいのは、出してあげられたってことは、再び閉じ込めることだってできるんだよってこと」
赤根くんが言っていることは無茶苦茶だ。
出せたんだから、再び閉じ込めることもできるって何?
でもそんなこと、今はどうでも良くて。
とにかく逃げなくちゃ。
赤根くんに掴まれている腕を思い切り上下に振った。
いとも簡単に赤根くんの拘束は解けたけれど、ここから先、どう動けば良いかわからない。
とにかく誰かと――りっくんと連絡をとろう、と思った。
携帯電話が入った鞄は多分、ログハウスの中だ。



