自由を奪われている両手には頼らず、腹筋だけで何とか起き上がった。
出口はどこなの?
そろそろ暗闇に目が慣れてきてもいい頃だ。
キョロキョロと部屋中に視線を走らせれば、階段らしきものがぼんやり見えた。
その先には多分、扉があるんだ。
でも施錠されているに違いない。
体当たりでブチ破るなんてことも、到底無理だし。
どうしよう、どうしよう、どうしよう……
どんなに考えたって答えなんか出て来ない。
頭に浮かぶのは『どうしよう』そればっかりで、ホント使えない。
と、ギィーと気味の悪い音が鳴り響き、扉が開けられたのか一筋の光が闇に差した。
バクバクと心音がうるさく全身に響いた。
あまりの恐怖に、呼吸も巧くいかなくなり息苦しい。



