赤根くんの言動を思い返しても、やっぱりどこかおかしいとは思うけど、りっくんが言うように、思春期真っ只中のあのぐらいの年齢は心が脆くて不安定だ。
『珍しくないこと』かも知れない。
母親の歪んだ愛情に圧迫されて、崩壊寸前という危険な状態ではあるけれど。
ハインリーケさんは私を邪魔だと言った。
きっと殺される。
ここにこのまま放置されれば、わざわざ手を下さなくても、確実に私は死ぬ。
携帯電話の入った鞄が、私と一緒に運ばれて来ているはずもなく。
助けを呼ぶこともできない。
りっくんは――来ない。
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