仕方なく――
もう本当に渋々嫌々、赤根くんの自宅へ行った。
何度見ても(と言っても二回目だけど)デカい門だ。
背の高いレンガ造りの塀に囲まれた中の、まるで洋館のような家も、見上げれば見上げるほど大きい。
さすがに今回は、インターホンを押すぐらいでは指は震えなかったけれど、代わりに変な寒気がして身が震える。
ここにもしかしたら赤根くんが居るかも知れない、そう思っただけで、きゅうっと心臓が縮こまるような不快な痛みを感じた。
それでも、平日のこんな時間、赤根くんは学校へ行っている、ここには居ない、居るはずがない、と何度も自分に言い聞かせた。



