「そんな無責任な……
とにかく断ってください。
いいえ、私が自分で断ります」
講師室で不満を爆発させる私に、
「ちょっと落ち着いて。
平澤さん、場所を変えましょ」
主任は僅かに動揺を見せて、宥めるように言った。
そしてすぐさま私の腕を掴んで歩き出し、講師室を後にした。
他の講師たちの目が気になるのだろうか。
私に便乗して不満を言い出す人が出てきたら厄介、とでも思っているのだろうか。
だとしたら、良い機会だ。
革命を起こした私はジャンヌ・ダルクだ。
面談室に連れて来られて、一人掛けソファーに座るよう勧められた。
お互い向き合うように腰を落ち着けるなり主任が口を開いた。



