「赤根っていうガキの仕業なら、悪用する心配はねぇな。
多恵に惚れてんだろ?」
「惚れられてるって言うか……
あれはちょっと違う気がする。
『執着』って言葉がしっくりくる、それも異常なほどの。
なんか、赤根くんの中で理想の女性が勝手に出来上がってて、それが『私』だと思い込んでる感じ。
だいたいさ、私なんかに惚れ込むなんて、どう考えてもおかしいよ」
「おかしくねぇわ。
んなこと言ったら、俺はどうなるよ?」
りっくんがサラリとそんな言葉を口にするから、自分の意に反して顔が熱くなる。
不意打ちはいけない、改まった告白よりずっと照れる。
嬉しいけどね。
「思春期の精神は不安定だ、何かに依存して縋りつきたい時もあるわな。
そのガキにとって、それがお前って訳だ。
思い込みの激しさによる、過激な異常行動は、大して珍しくもねぇよ」



