全部、私からだった。 ~AfterStory~



 果てた後りっくんは、私を背後からぎゅうと抱きすくめ、身体も強く押し付けて密着させた。


 激しさの後の静けさ。

 まるで、
 火照った身体が冷めるのをじっと待っているみたい。


 重なった身体は、お互いに熱を与えあって共有して。

 こうしている限り、どんなに待っても冷めることなどないのじゃないか、と。
 効率の悪さに疑問を薄っすら抱きながらも、心地いいから私も何も言わずにじっとしていた。



 呼吸が整って緩やかになるとりっくんは、おもむろに私から離れて起き上がる。

 急激に身体が冷えていき、寂しくなって振り返れば、

「多恵、お前ってほんと――」

 言いながら身を屈めて額にキスを一つくれ、

「可愛くてエロくて最高」

 と続けた。

 誉めているのかけなしているのか、どっちなんだい、おい。