でもコイツ
俺のことを明貴って呼ぶし…
何だよ
って思ってたけど
なんか
俺もよく笑うようになって…
いつの間にか
那由多を
目で追うようになってたんだ…
そして俺は気付いた
那由多が好きなんだ…と
それに気付いたのは
那由多が彼氏が出来た
と言ってきた時だ
「あーきっ妃華里ねぇねっ!」
不意に後ろから
声を掛けられた。
「あら、なゆちゃん」
妃華里は那由多のことをなゆちゃんと呼んでいる
「何だよ、那由多じゃねぇか、どーした~?いじめられでもしたか?」
俺は意地悪く笑った。
「そうじゃないしっ明貴のばかっ」
べーと那由多は俺に
変な顔を向けた。
俺はふっと微笑んだ。
そしていつものように
俺のことを
明貴、と呼び捨てする
那由多を見つめていた。
実は俺を呼び捨てなのは親父と母さんと妃華里と那由多だけなんだよ
全く
生意気なやつだよなぁ…
「もー明貴!なゆちゃんをからかうなんて大人気無いじゃないの!!」
「はっ…大人気?那由多が老けてるだけだろ」
「もー明貴はぁー…で、なゆちゃん!用は何?」
「あのねあのねっあたし彼氏出来たの!!」
「は!?」
「あら~なゆちゃんおめでとう!!」
「ちょっと待てよ…彼氏っつっても、遊びだろ?」
「いーいーえっ正真正銘の彼氏ですっあたしが告白されたんだからねっ」
どーよ
というように
那由多は決めポーズ
「なゆちゃんすごい!!」
「でっしょ~?どうしたの明貴!ぼやっとしちゃってーあ!あたしの事、もしかして好きだったの!?なんちって!!」
「…なっなわけねーだろ!!俺はロリコンじゃねーよ!!」
そうだよ…
俺は那由多が好きなんだよ…
言えない気持ちを押さえて
我慢した

