星空刺繍


たった今、残念なことに口を閉じた俺はイケメン男子高生になり損ねてしまった。

せっかくの惚れ直してもらえるチャンスを見逃すなんて、馬鹿なのかな?


物心をつけざる得なかった保育園、近所の保護者の目を気にしていた小学生の時、

同級生と仲良くしてるはずがどこか微妙だった中学時代、つまり原因である自分の家族についてどう思っているか、

本音とかリアルとか何も田上さんに言えなかった。


環境がそうさせたのか知らないが、

片手で年齢を表現できる頃から、

親に我が儘を言ったり甘えたりなど、子供らしい言動をしたことはなく、

高校生になろうが相変わらず精神面は澄まして自立してる割に、

その大人力は隠して、ユニークさが売りなのが近藤洋平だと、

皆にとってゆるい奴になりたいのに、

田上さんは勝手に俺を過保護に育てられたせいで自己中心的な子供みたいに、心の構造を幼くさせてしまうんだ。


そう、好きでいてほしくて、離れないでほしくて、彼氏でいさせてほしくて、田上結衣がほしい。


今までずっと相手の機嫌を窺い自分の願望を我慢して、

あれがしたいこれがしたいと言わずに抑える自分に慣れていたはずなのに、

どういう訳か、田上さんに恋をした今、

もういい年なのに、自分の都合ばかりを主張したくなるんだ。


――でも、