星空刺繍


子供はかんしゃくを起こして泣き始めるんだけど、宥めたら調子に乗って泣きつづけ、

揚句、泣き疲れて寝る。


女子はヒステリーを発動させ泣き始め、慰めてもらう前提に泣きつづけ、

結果、非を相手に押し付け泣き止む。



『大丈夫?』『なにかあったの?』『どうしたの?』

心配してもらえるか試す悲劇のヒロインタイプの女は腹立たしいんだけど、

いいや、逆に面白すぎてウケるんだけど、

田上さんはそういう構ってちゃんの自己愛ガールとは違うはずなのに、

後何分、不規則にしゃっくりを上げたら気が済むのかな。



「……。」

胡座をかいているだけなのに、足首のあたりが自分の体重で痺れてきた。

女の子は、特に俺の彼女は華奢だから、

田上さんは俺の重さに耐えられないはずだ。


なんだか、愛のパワーですよと予防線を引き、

力任せに閉じ込めようとしていた数分前の自分にぞっとした。


頭は悪くても相手の感情を社会的ルールにおいてそこそこ読み取れる馬鹿はムードメーカーで親しみがわくけど、

頭が良くても相手の気持ちより己のライフスタイルを貫く馬鹿は誰だって引くだろう?

でも、大人はそんなことを顔に出さず、やんわりと距離を置き、

秘かに関わらないようにするんだ。


女子高生の割に意外と内面が大人びた田上さんなら、

自分の彼氏が人として馬鹿だと悟り、嫌いになるのかな?