星空刺繍


ピアスを渡してきたさっきみたいに、小学校ばりのアホな笑い声をまた聞かせてほしいし、

モテ子らしい淡いはにかみより、豪快に口を開ける幼さが馴染むし、

俺はそういう田上さんの丸っこい性格に惚れてるんだ。


どこが好きかと聞かれたら、高校生の模範解答なら、

誕生日に彼氏がプレゼントしたピアスをずっとつけている一途なところ、

三流の本音なら、お姉ちゃんのボディークリームを使って叱られた話を武勇伝として披露するアホなところ、

迷わずそう答えるのだろう。



唇を寄せたい白い背中、噛んでみたい耳、掴んでみたい細い腕、触ってみたい妙に張られた太もも、

まだそういうのは、二人に似合わないなと思った。


そこは、白い背中はニキビがないのでオッケー、耳はピアスをしているので合格、

細い腕は脂肪が少ないので大丈夫、太ももは無駄毛がないので優秀、

ネタに走り軽く括ろう。


焦ってもろくなことがない。
せっかくのクリスマスに泣かせるはめになる。


ソースの水溜まりで遊んだお皿、気持ちがこもったびっくり箱、

楽しい食事会や嬉しいプレゼント交換、

二人が記憶を飾る場面なら、クリスマスツリーがきちんと見ていたじゃないか。



もう、イケメンなアイディアが浮かばなかった。

「お姫様、こっちは反省してるんですけど。こっちが下手にでりゃ調子乗って泣くとか田上さん我が儘だなぁー、引くわ」


自分が怖がらせた子の慰め方が困難すぎて、墓穴ばかりで迷走するこの煩い唇を、

速やかに誰か塞いでくれたらいいのに。