星空刺繍


初恋ビギナーの田上さんはなかなかさせてくれないどころか、

更に、今後したがる予定も全くなくて、

華の男子高生、いくら理性を働かせど、それなりに困るんだけど、

俺ってばそこそこイケメンだから、彼女と清い交際をしつつ、

無料で、むしろ立候補して処理してくれる女の子なら余裕で作れる訳だ。


そんな男らしい賢い選択をしていたなら、

きっと今日も欲求はそこまで募らなかったから、

なんとなくまだ彼女の決心ができてないなと感づきながらも、

鈍いフリをしてベッドに誘うヘマはしなかったんだろうか。


愛人、浮気、セカンド、二股、不倫、それがラグジュアリーな大人の嗜みなのだとしたら、

俺は一生ダサい男子のまま、本命のみに発情するショボいお子ちゃまで構わない。


相手が田上さんの場合のみ好きという意味があって、

それ以外の理由で他の奴に触って何を得るんだろう。


大好きなんだ、多分必ず割と結構本気なんだ。

しかし、女子が憧れるイケメンにはなれない感性が働き、

この気持ちを本人へ甘く音にして届ける日は訪れやしないと思われる。


この子はきっと分かってない。

田上さんがどれだけ俺を痛くしているか、それが愛情の尺度なのだと、

恋愛に限り天然ボケの気質があるせいで、男心を読めていないんだ。


なあ、皆が引くぐらい、彼氏を自分に惚れさせてしまっている責任はどうしてくれる?