星空刺繍


だって今日、この瞬間、男子高生的に最善の方法で挑んだつもりだった。


付き合って九ヶ月、友達周りに彼女とまだなんて言えないのに、

見栄もあるが、主に手を出すなという牽制として、してる仲だと思われたかったし、


恋人の関係で妊娠させてしまって、責任を持って籍を入れるより、

結婚した後にある程度生活が安定し、

仕事の関係を調整した上で赤ちゃんが誕生してくれる方が理想な自分の考え方に、

色々と思春期全開悩んでいたり、


田上さんは初恋で、つまり俺が初めてなんだから、ちゃんと幸せにできるかなと不安を感じていたりで、

なかなか踏み切れなかった。



でも、好きならそんな堅い理屈は要らなくて、ただ恋をしたら当然の流れで、

クリスマスが味方して、俺は田上さんのワンピースに手をかけられていた。


一生懸命想うなら、あれこれ関係ないことでいちいち躊躇う必要はなく、

恋心の指令に素直に従えば二人は幸せだと信じた結果が、

舞台に寝かせる出来事だったのに、

それを真っ向から反対されたら格好悪すぎて立場がないじゃん。


なんなんだよ、泣くのを我慢して孤独に震えられる方がよっぽど虚しい。