男の子は女の子の夢を叶えるために存在してくれるのかもしれない。

そう可愛らしく説けば近藤君は王子様で、

私も恋人の世界にさらわれた時、瞳の国でお姫様になれる訳だ。



ほら、恋愛をしたら脳みそも心も思考も乙女らしくなっちゃうから、

皮膚一枚めくれば馬鹿でも風邪を引くと思う。


私は多分、近藤君に出会って変になった。凄くイタくなった。引くぐらい別人になっちゃった。



毎日がドキドキで幸せなのに、そんな必死で付き合ってると思われたら、

重がられるし照れるしキモいだろうし、恥ずかしいし引かれるはずだしキャラじゃないしで、

そんな考え方をしているせいで、すぐ茶化してごまかして、なんでも冗談にしてしまうため、

携帯電話に執着する女子高生らしく、

まだちゃんと本当の気持ちをストレートに言ったことはないのかもしれない。




『ツリー見たいなーとかウエディングプランナーばりにね、

俺なりにクリスマスを企画してみたんだけどまだ改善の余地があってさ。

先に女子目線のネタをくれ。
なあ、クリスマスどこ行きたいとかある?』


回りくどい彼氏の言葉に従えば、クリスマスイヴ――――キスの次にあることは、二人だけの幸せだった。