愛してるかは謎、そんなんいちいち彼氏に言いたくない。

二人だけの時にしか教えてあげたくないけど、

私が言葉にすると、たちまち安っぽくなる自信しかないから秘密にしておきたい。



友達ぐらいに自慢のボーイフレンドがどれだけ大切な人なのかを知ってほしいなら、

クラスメートに誘われる女子会で、恋人についてあれこれ語り合うのが真のオシャレなんだろうけど、

私にとって、あの空間は最高に難易度が高い。



だって、あれって間接的に『アタシがこの中で一番可愛い』かを確認する自慢大会で、

自己顕示欲に満ちた女が集う生産性がないファッショナブルな時間だから、

ヘボイ私には退屈なんだもん。



悩み相談をしたり真剣に意見したりするのは鳥肌で、

親身にアドバイスしたり上辺だけで相槌をしたりするのは無理で、

っていうか『心を許した仲間と飾り気なく親睦を深めることができるアタシ』のスタンスに酔ってる気がするし、


全体的にシリアストーンのせいか、

『猫が寝込んだ』の面白くない冗談が浮く感じが、個人的にはつまらない。



だから、私は彼氏をどれだけ本当に好きかを、誰に打ち明けたらいいのか分からない。



とりあえず背筋を伸ばすように心がけることが精一杯の努力で、

このショボい想いのほとんどだと思う。



クリスマスを過ごす。
初めての恋人、キスしかしたことがない恋人、記憶がほしがる恋人。

一応人並みに大人なチューもしてるけど、主導権は相変わらず彼氏に譲ったままの私だし、

それがそうなるとか、なんかあんまり現実味がなくて、なんかどこか他人事みたいで、

甘い瞳に見つめられたあの日、上手に返事ができなかった。


――――ただ、