「ふ、そんなビビるとか笑かす、ツボった、お前それ驚いてはいけないの真似? あはは、ほんじゃあ俺優しいし先に報告してやるわ。
ネタバレしてあげる、あはは。ムード崩すけど事前報告な。
はい、よく聞いて。今から彼氏はあなたの上に乗りますよ。びっくりしないよーにね。よろしくて?」
彼氏特有のテンポで放たれた低く甘い音色は、
私の皮膚の裏側を痺れさせ、恋愛に身体を蝕んでしまう。
ゆとり世代だけど、返事をする心のゆとりはない。
膝立ちだった近藤君が腰を前に曲げて、
私の両肩を挟むように肘から手首まで両手をベッドに馴染ませたため、
ついに恋の香りが近づいた。
有言実行の成果で、初めて見る角度のせいか、いつもよりカッコイイと再評価できる。
ねえ、照れ臭くて死ねる。
だって近藤君ってば、おかしいじゃん。
柄にもなく好きだ可愛いだと囁いて、突然ロマンチストになってみせたり、
馬鹿だウケるだと、急にいつも通りのお調子者に戻ってみせたり、
一人ころころキャラ変更しやがって、
その度に、私はカラッポだから、ときめくしかできないじゃん。
近藤君なら、何をしたって私はドキドキするし、
この人と毎日を過ごせるなら、私は幸せにしかならない。
こんなリアルな気持ちを純愛ソングとして世間に告白したら、着うたダウンロードは下半期何位になるのかな?
少なくとも、可愛くない私は絶対聞かないし共感できないのだろう。



