物静かだった暖房が勝手に快適さを求めて温度調節を始め、
邪魔をしない程度に稼動するのは、
無駄に愛の成分が部屋に多発しているせいなのかな。
女子目線の取り柄は華奢さぐらいで、
男子方面が最も期待するであろう必要箇所の厚みに欠けるスタイルに自信がない分、
余計、はだけるのが恥ずかしくて、かなり不安で、
奥ゆかしい私が一生懸命勘を頼りにバックの生地を引っ張ってファスナーを持ち上げてるのに、
近藤君てばやっぱりムカつく。
「アホか、起きんな、二度手間。」
いきなり両肩を軽く突かれた。
そうなると、力の抜けた身体をさっき無理して起き上がらせたばかりだったのに、
数秒前の苦労のかいなく、トボケた奴みたいに、またベッドに寝転ぶ形になっていた。
びっくりした拍子に、小さな悲鳴をあげてしまうという初々しすぎる反応に引かれたくなくて、
女の子らしい失態に自己嫌悪しようとしたけど、
近藤君がそれには無反応だったから、
案外、流れ星を見逃すみたいに聞き逃されてたんだって安堵した。
彼女は自分が初恋だってことを、あんまり彼氏に意識してほしくない。
だって、恋愛に必死になる子ばりに重たくなりたくなくない?
まあ、だからって、補導されたアピールが趣味な中学生じゃあるまいし、軽い女を真似るつもりはないんだけれど、
いざという時に、相手にばかり負担をかけそうな点が気掛かりなだけだ。



