ロマンチックに言えば右目と左目がくっつく程に見つめたいくらいで、
現実的に言えば香水の種類が増えるくらいで、つまりその程度の愛情量だ。
そうなると、クラスメートの女友達みたく、大好きとか愛してるとか、結婚したいとかずっと一緒に居ようとか、
たくさんの想いをブログに綴る純愛さには欠ける可愛くない私なんだけど、
そんな無垢さがない彼女なんかを彼氏は馬鹿だから、割と好いてくれているみたいだ。
付き合って順調に半年経つのは性格のバランスがいいせいなんじゃないかなと、最近分かってきた。
経験人数を切り札にしたりオールした多さを武勇伝にしたり、
そんな学生生活で彼氏が青春してるなら、
そんなポップな少年の斬新な価値観に、私は絶対惚れなくて、
小学校のリレーで三人抜いた思い出を切り札にしたり、弟のマラソンに付き添う老人級早起きを武勇伝にしたり、
そんな学生生活で彼氏が青春してるから、
そんなショボイ少年の微笑ましい価値観に、私は共感できていた。
『クリスマスどこ行きたいとかある?』
あれは一ヶ月以上前、文化祭が終わって一段落した頃、
深爪をしたとか、数学の小テストが余裕だとか、教室でゆるい話していた時に、
彼氏が不意に聞いてきた。
甘い声に隠された真意に、耳の奥が確実に蕩けたのを私は今でも覚えてる。



