なんで私と付き合ってるの?
どうして大事にしてくれるの?
半年経ったけど飽きたりしないの?
たまに浮気したくならないの?
元カノと私、どっちが好き?
子供特有のなんでなんで攻撃並に、近藤君に尋ねたいけど勇気がなく、
代わりに誰かに聞きまくりたいけど無理で、結局終わらない自問しかできない。
近藤君の手の熱が、私のホッペにしっくりする理由を教えてほしい。
好きな人に合わせて馴染むのが普通なのか知りませんケド的な。
二人が作る雑音のしつこさが恥ずかしくて、いっそ両手で私の耳を塞いでほしかった。
それでも、その照れさえ貴重で、いつかの未来に今を反芻し幸せを増やしたい。
来年も絶対一緒に居たいし成人式は振り袖を見せたいし、
厄年は神社に行きたいし同じ夢を叶えたいし、
といった同級生の女子が繰り広げるガールズトークみたいな感情を隠し持てる高校生活が嬉しい。
キスする時間と無駄話する時間、近藤君はどっちの私が重要なの?
このハテナはきっと一生浮かばない。
全部を彼氏に任せたままの我が儘な彼女は、
クリスマスの心地良さに一ヶ月前から隠している悩み事を忘れていた。
長い長い口づけが一度止まる。
おでこをくっつけて見つめ合うこと二十六秒、
沈黙の彼氏と息を調える彼女は、まあまあ相思相愛な恋人同士だ。
「好きだ」
冗談以外で珍しくドストレートに好きだと言われ、普段の私なら余裕で引くのに、
今日という特別な夜には素直にびっくりして、返事の代わりに小さく頷いた。
九ヶ月、待ってくれた。
それが純愛の呪いにかかる尤もらしい因果関係だ。



